大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(オ)907 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人宮崎巖雄の上告理由第一、二点、同伊藤修、同伊藤利夫の上告理由第

一、二点について。

所論は、原判決は換地予定使用開始の通知を土地所有者に発送し、かつ新聞紙に

よつて公告すれば、土地の賃借権者に対してなんらの通知をしないでも都市計画法

一二条その他の法規により換地は地方長官の認可によつて効力を生ずるものと判断

したが、そうだとすれば土地の賃借権者はなんらの通知を受けないで賃借土地に居

住してこれを使用収益する権利を失うこととなるので、かかる判断をした原判決は

憲法二二条同二九条に違反するとともに法令の解釈適用を誤つたものであるという

に帰する。

しかし、原判決は特別都市計画法一三条同一四条等の規定によつて換地予定地指

定の通知は賃借人にもなさるべきものであることは明らかであると判示し、原判決

挙示の証拠によれば上告人A1同A2の先代Dは昭和二一年三月頃岐阜市役所から

本件換地予定地指定のあつたことを告げられたことを認め得るので、賃借人たるD

に対しては右日時に本件換地予定地指定の通知がなされたものというべきであると

判示していること判文上明らかである。そして賃借人に対する右通知については特

段の方式を要する旨の規定はないのであるから、所論のように書留配達証明郵便に

よらなければならないものではないので、前記通知がなされたとの原判示は正当で

ある。されば、所論は原判決の認定した賃借権者Dに換地予定地指定の通知がなさ

れた事実を否定する前提のもとに原判決の違憲違法を主張するものであるから採る

をえない。

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上告代理人宮崎巖雄の上告理由第三点について。

所論は、被上告人が上告人A1同A2に対し地上の建物を収去して本件土地の明

渡を求めるのは民法一条二、三項に違反すると主張するが、被上告人が本件土地を

換地として指定されたのは被上告人の意思に基いたことではないので、仮りにその

換地につき区画整理施行者の措置に不備があり本件土地賃貸人に上告人A1同A2

の先代Dに対する債務不履行の結果を生じたとしても、被上告人においてその責を

負うべきものではないから、原判決がその判示する事実の下において所論の違法は

ないものと判断したのは正当であつて、所論は採るをえない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

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